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  • 執筆者の写真nikoponsuki

ダブステ感想と優勝の味

更新日:1月28日

舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による覚醒-Re:(in)novation』を観てきました!



紆余曲折を経て、劇場で1回+配信で1回観劇することに。2階最後列だったのですが、俯瞰的に全体の演出が見られたので個人的には良かったです。

(表情や細かい小道具は配信視聴で確認しました。)


1.全体の感想(※ネタバレ注意)


・キャストの熱演

これはダブステ1stに引き続き素晴らしかったです。特にネーナは舞台でかなり好きになりました。あとはイノベイドの皆さんの演技も良かったですね。彼らの戦闘中のテンポ感(というか暴言の数々…)には、「ロボットアニメっぽい!」と素直にテンションが上がり楽しませてもらいました。

マイスターの中ではティエリアの雰囲気も好きでした。シナリオ的にはツンなティエリアのままなのがちょっと寂しかったですが。


・アクション

生で観ると想像以上にスピードがあって、ただただ楽しかった!!レーザー演出と相まってGロッソのヒーローショー的な楽しさがありました。刹那VSブシドーで座るライザーを入れ替えて上手・下手が切り替わるのもかっこよかったな〜!また、刹那VSリボンズでは、ライザーのアクションと生身のアクションを組み合わせた演出が試されていて印象に残りました。


・演出

個人的に特に印象に残ったのは2点。

1点目は、リボンズの語りに合わせて白黒写真が投影される演出。舞台ではモブシーンが無いので「この世界の一般人はCBをどう思っているのか?」「紛争根絶って台詞だけで説明だと説得力がない」という感覚があったので、(今回は沙慈・ルイスの登場でもカバーされていますが)現実世界の問題を意識にのぼらせて地続きに捉えてほしいという演出であると感じました。

もう1点は「trust you」が流れる中、舞台奥に花畑と4体のライザーが現れ、マイスター4人がそこに乗り込む演出。一番最後の場面ですね。"MS(兵器)が花で覆われる"というイメージはガンダム00という作品の重要なコンセプトなので、きちんと見せてくれたのは嬉しかったなあ。これは生で観て本当に感動しました。


・シナリオ

「イノベイドの力によって一方的に与えられる統一ではなく、人類が自らの意志で一歩ずつ変革していく道を選び取る」という原作の核の部分が再構築されており、よくまとまっていたと思います。また、「闘いではなく対話を求める」という劇場版のテーマも先取りされていました。

割とトンデモな改変(コロニーの旧人類サイドと地球の新人類サイドに分かれる!?)もありましたが、原作の縮小再生産になっても仕方がないので、これぐらいガッツリ変えてもいいんじゃないかなと思います。ネーナとリボンズの結末もかなり改変されていましたが、これに関しては「対話」の強調ということで個人的には結構気に入りました。

ただ、原作を見ていない人にとっては散漫な印象になっちゃわないかな?という点は少し心配になるところでした。ブシドーとコーラサワーの出番を減らしてマイスター4人の描写をもっと掘り下げて欲しかったような。「転生したらコーラサワーだった件〜アレ?俺また何かやっちゃいました?〜」みたいになってるよ!(笑)

とりあえずライルがかなり割を食っていて気の毒……。サーシェスとの因縁がカットされているのは、役者さんのことがあってだと思うのでやむを得ずの部分もあるのですが。


・総括

MSを舞台セットとして作ったり、アニメ映像を流したりすると安っぽくなると思いますし、キャストの熱量と観客の想像力でカバーするというアプローチは納得だなと思いました。ただ、やっぱりロボットアニメは設定とキャラクターだけを取り出してゼロから成立するものではないなとも感じました。メカニック面の描写がドラマの展開やキャラクターの性格とも密接に関わっているんですよね。例えば、中性的でクールなティエリアがデカブツでパワー系のロボットに乗っているという意外性も込みでキャラクターが成り立っている訳ですし。だからこそ、同じデフォルメレベルでキャラクターとロボットを画面に収めることができるアニメーションとして作る意味もあるんじゃないかなと改めて思いました。


長々書いてきましたが2.5次元舞台版としては非常に楽しめました。原作の再現ではなく、原作の再構築(再解釈)という形で真摯に作られていたと思います。アンサンブルの方も含めたキャストとスタッフの皆さんには心から感謝いたします。お疲れ様でした。

舞台きっかけで原作を観てくれる方がいると嬉しいな。



2.刹那とグラハムについて(※ネタバレ注意)


・刹那

終始ブレない・精悍な刹那だったと思います。原作の憂いと熱を感じるウルトラ・ワイルド・セクシーガイなせっさんが大好きなので個人的には少し残念でしたが、尺の関係もあり仕方ないのかなとも。とはいえ、セクシー要素(?)は完全なシュミですが、自分には戦うことしかできないと思い続けていて、心の奥底に戦いたくないという思いがあるにも拘わらずそれを自覚できていない悲壮さ、その矛盾と葛藤の中から別の生き方を見つけ出していくカタルシスが刹那というキャラクター、ひいては作品全体の大きな魅力だと思うので、やはり物足りなさはあります。そういった刹那の人間的な脆さはマリナを通して語られるシーンが多いので、やっぱりマリナは出してほしかったかな……。でも眼差しが印象的なところは刹那のイメージに合っていて良かったです。


・グラハム(ブシドー)

ダブステ1stのグラハムは雰囲気がスウィート過ぎるかなと感じていたので、今回のドスが利いた声音と凛とした立ち姿の方が自分の中のイメージには近かったです。

何はさておき、「日本刀で華麗に殺陣して服の裾がヒラヒラしてるブシちゃんかっこいいおwwww!!!!!!これには漏れもマスクの下でニッチャリスマイルですなwwww!!!!」とキモオタになってしまいましたとさ。(BIG KANSYA!)あと涙袋がキラキラしていた。

仮面つけてても(アニメとデザインが若干違うとはいえ)お顔の可愛さが全く隠しきれていなかったので、アロウズにミスターブシドー萌え萌えファンクラブが存在する可能性はある!……のかもしれない。


あと原作より和風要素盛り盛りでしたね。アニメで襖や通信装置を叩き切ったら流石に(今、流れ変わったな?)になると思うのですが、舞台上だとサラッと成立していて良かったです。ビリーと正座で膝突き合わせて話してるのも可愛い。


ただ、ダブステ1stのグラハムからの感情の繋がりはよく分からなかったです。ここは別物とある程度割り切った方がいいのかもしれない。


あとは「友にはいつか分かってもらえる。分かってもらえなくともそれもまた友。だが愛には瞬間の全てを賭けねばならない!」というブシドー式恋愛哲学(?)でも友情について言及されてましたし、ビリーとの絆が結構フィーチャーされていた印象です。ビリーが闇堕ちしないので、「立場を違えていても信じ合う友情」という形で、グラハムの帰る場所として最後までいてくれたのが個人的には嬉しかったです。(ダブステ1stの「君が生きていたのは僕にとっては嬉しいことだったよ」という台詞の時も嬉しかった)まあ、三十路過ぎて痴情のもつれで二人揃って闇堕ちして大暴れするアニメの二人も味わい深くて好きですが(笑)

ちなみに原作のグラハムはコーラサワーのことを全く歯牙にも掛けてない気がしますが、スパロボや舞台等の派生作品では仲良くなりがちで面白い。これも偏に彼の人徳の為せる業でしょう。


・刹那とグラハム

最初の刹那vsブシドーの殺陣は色んな意味でドキドキしましたね。概ね原作とノベライズの台詞から引用ですが、「遠距離はもう耐えられん!」等は舞台オリジナルの台詞。


そして……


「思う存分抱きしめ合おうではないか!」

背後から刹那の喉元に刀を突きつけるブシドー


おおお!嬉しい!!


「早くイって(逝って)くれるなよ、少年!」

ブシドー急接近。ライザーの肘掛部分に足を乗せ、刹那に顔を寄せる。



えっ?????



嬉しすぎ?????


えっ??????????


嬉しすぎ!!!!!!!!?????????


嬉しすぎ!!!!!!!!?????????


これが勝利の美酒というものか……ありがとう……世界よ……。

原作で機体越しに交わされている会話を、生身で表現するならこれぐらいの顔の近さだろう、と解釈してくれたこと自体がまず嬉しいです。優勝してしまったなあ!

その後の「変態に磨きがかかっている!」については、刹那はドラマCDと二次創作以外で”変態”とか言わないもん!と思いましたが、舞台の刹那は地に足ついてるのでこれぐらい言うかもしれない(笑)

刹那VSブシドーラストバトルでも、お互いに闘う理由を確認し合って、合意の上での果し合い(?)をしていて(しかも「グラハム」って名前呼びしてくれる!)、結構サッパリした印象でした。お互いに好敵手と認識し合っている感じがする。その後のリボンズ戦でブシドーが刹那を助けてくれるところも、舞台の2人ならこういうこともあるかなと。そもそもダブステ1stで共闘してますしね。それはそうと、「人類皆に届いている」らしいので、己の愛を全人類に見せつけられてよかったね、ブシちゃん!


なぜかスメラギさんとビリーも公認(?)なので色々終わった後に「真剣なる交際を所望する!」ってプトレマイオスに言いに行ったら普通に成功しそうですね。ステせっさんはアツい男だから2人でベースボールの試合観に行ったりしてさ(?)


以上のように優勝させていただいた訳ですが、原作の量子空間でグラハムの顔がアップになるカット、あの茫然としたような思い詰めたような表情が心臓に突き刺さって猛烈に「私が推すべきカプはこれだ!!」と確信したという経緯がありまして。やっぱり、話が噛み合ってるのか噛み合ってないのかよく分からない、原作の刹那とグラハムが愛おしいなとも改めて確認させられました。


いや~~刹ブシって、本当に良いものですね!



グッズはパンフレットとビジュアルブック、刹那&ブシドーのブロマイドのみ購入。ブシドーのアクスタぐらいは買っとけばよかったなあ。円盤は予約しました!



3.雑感 (※ネガティブな意見もありますのでご注意ください)


ダブステ1stはリアルタイムで観劇せず、何カ月か経ってから配信で見ました。その時期は公式へ一方的に不信感を募らせていたためです。

具体的にどういう経緯だったかを説明すると長くなりますし誰も聞きたくないと思うので省略しますが、十周年イベントの内容もまだ消化できてないうちに2.5次元舞台化とか言われても……困るんだが……という状態だったんです。


もちろん、「これはオトコノコ向けのジャンルなので女は客だと思ってません」的な態度を取られるよりは遥かに良いと思いますし、水島監督は当時から女性ファンも意識した作品作りをされていたので、もし2022年放送の作品だったら同時期に舞台もやったんじゃないかな~とも思います。また、別作品として作り上げる以上は、原作と舞台とでお互いに刺激し合っていくというのがあるべき形だと思います。


……とまあ、ここまで頭で理解していても監督の「(舞台の解釈について)これからアニメ作ったら絶対影響出る(笑) 」というツイートにざわつく心もあったりする訳で(笑)

たまにめんどくさい気持ちを抱えながらも、自分なりの距離感で色々と楽しんでいければなと思います。


蛇足が長くなり過ぎましたが、それでは。


おわり

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